古河サポーターズ

「古河の魅力ってどんなところだろう?」暮らしの中では当たり前で気づきにくいけれど、外から見てみると...いろいろな分野の方にプロならではの視点で「こがでくらすと」を語っていただく企画の第6弾。今回は、まちの魅力を発信する「こがキラphotoクラブ」の活動について、人と人のつながりをつくる会社を経営する川路武さんにお話を伺いました。

上智大学経済学部卒業後、1998年三井不動産入社。官・民・学が協業するまちづくりプロジェクト「柏の葉スマートシティ」や新しい働き方を提案する法人向けシェアオフィス「ワークスタイリング」を立ち上げる。2011年にはNPO法人「日本橋フレンド」を立ち上げ、次の100年を見据えた日本橋でのまちづくり活動を行う。2022年に24年勤めた三井不動産を退社し、新たに「半径100mの人と人をつなぐ」ことをミッションとした株式会社Goldilocksを起業。座右の銘は「それもあり」。

皆さん、「こがキラphotoクラブ(以下、こがキラ)」ってご存知ですか?

「こがキラ」とは、2019年に古河市シティプロモーション課の取り組みとしてスタートした市民活動です。15歳以上の市内在住・在勤・在学の方を中心に募集した市民レポーターが、古河の魅力を市公式Instagramで発信し、古河市のブランディング活動を盛り上げています。
任期は1年で、メンバーは毎期入れ替え制。2025年春現在は、6期生が活躍中で、任期中には写真の撮り方講座や交流会、制作発表会なども行なっています。

2023年にスタートした古河市のブランド戦略「こがくらす」よりも前から活動している「こがキラ」。今回は、2つの取り組みが織りなすまちへのメリットや、さらに活動を盛り上げていくための方法をまちのコミュニティに知見が深い川路武さんと考えていきます。

「僕は20年以上、人と人のつながりを研究しています。ゼロからまちをつくったり、まちの人100人と朝ご飯を食べるイベントを開催したり......さまざまなまちで"半径100mの人と人をつなぐ"仕事をしてきました。

古河市では「こがキラ」という写真クラブを結成しているということで、僕なりに活動内容やメンバーの声から、市民発信のまちづくりについてお伝えできればと思います」

まずは、実情を知るために現メンバーと卒業生にアンケートを依頼。その回答をもとにヒアリング会を実施しました。

「まず、アンケートの回答率がとても高かったことに驚きです。想像していた倍以上のアンサーがもらえて、活動に対する熱量の高さを感じます。

アンケートからは、活動を通してコミュニティが広がっているという結果が見られました。
交流の広がりはメンバーやお店、地域の人々などさまざまでしたが、市民活動に参加していない暮らしでは、家の近所や職場以外でまちの人とのつながりはあまり広がらないはず。
でも、クラブ内の半分以上が知り合いという方がいたり、取材先や地域イベントで新たなつながりが生まれたという声もありました。

これはとても素晴らしいことで、人のつながりが増えると日々の幸福度が上がると思うんです。
例えば、スーパーで知り合いに会って挨拶をする、それだけでも『今日はいい日だった』と温かい気持ちになれますよね。

昨今だと感染症や災害など、まわりの人と助け合わなければいけない場面も多い。そんなとき、住んでいるまちに知り合いがいるのといないのとでは、暮らしやすさが大きく違います」

ヒアリング会では、楽しんで活動に取り組む様子がうかがえる、さまざまな声やエピソードを聞くことができました。

「取材で経営者の方に話を聞き、オーラを感じて楽しかった」「まちのイベントや活動に参加するようになり、知り合いが増えた」「情報発信のためにまちの動きを気にするようになり、アンテナ感度が高まった」など、「こがキラ」を通して特別な体験ができているようでした。

特に印象的だったのは「クラブ活動が楽しかったので卒業をしてからもInstagramへの投稿をしたい」「1年間で終わってしまうのがもったいないので卒業生との交流をしたい」という、活動やつながりを継続していきたいという声。

そこで、卒業生で非公式アカウントを運営することや自主企画を開催していくことを川路さんから提案されると、皆さんとても意欲的な反応でした。

「自治体の活動は市から市民にお願いをして、受動的に行なってもらうことが大半だけれど、積極的なメンバーが多い「こがキラ」は運営側との気持ちが絡み合い、いい活動ができていると思います。

今後もメンバー主体の企画や交流会、地域イベントとの連携など、お互いを巻き込んでいくことでさらに盛り上げていけるコミュニティだと感じました」

川路さんの視点で見た「こがキラ」は、古河の魅力を発信するだけにとどまらず、人と人のつながりを増やしていきながらとてもいい活動ができているということ。

もともとは古河の魅力を伝えるためにスタートし、各自でInstagramに投稿をする活動がメインでした。それほど多くの時間を共有していたわけではありませんが、まちの魅力を見つけようという共通の想いを抱くことで濃い時間を過ごせていたのですね。
発信活動だけでなく、メンバーや地域とのつながりを広げているのも「こがキラ」の魅力というのは、新たな発見でした。

ヒアリング会の様子は、クラブを運営する古河市シティプロモーション課にも共有。
他のまちではなかなか見られない、盛り上がりのある活動だという専門家の評価を聞いた市職員も、さらに頑張ろうと思える機会となりました。

古河市をさまざまな方向から盛り上げる「こがキラ」は、これからも精力的に活動していきます。
次期は2025年の夏頃に募集予定です。楽しく古河市の魅力をPRしたい方のご参加をお待ちしています!
古河市のInstagramでは随時「こがキラphotoクラブ」がまちの魅力を発信中!ぜひチェックしてくださいね。

編集・執筆/vivace
撮影/寺田拓真